家族に介護保険サービスが必要になった時、知っておきたい申請から認定までの手順。
今現在の日本の総人口はどれくらいの数なのかご存知でしょうか?
総務省のデータによると令和元年5月1日でなんと1億2620万人。
しかし前年比のデータで比べると27万人も減少しています。
緩やかに人口が減少している事がわかります。
※総務省統計局調べ。
日本人口全体で見ると、あらゆる年齢層が減少しているとも言えますが、ただ一点。
前年度よりも増加している年齢層があります。
赤枠で囲っている部分に注目して下さい。
『65歳以上人口は前年同月に比べて39万6千人の増加』
となっています。
つまり日本に住む3割以上が高齢者と言う事です。
65歳で高齢者?と思われるかもしれませんが、制度上『満65歳』から介護保険の利用が認められているのです。
今回はこの『介護保険』と言う制度の利用と、その申請手順を説明していきたいと思います。家族に介護サービス(保険を伴うサービス)が必要になったと思った時の参考になればと思います。
最初に相談する場所は市役所!
家族に介護が必要になった時、まずは各市町村の市役所へと連絡して下さい。
市役所には様々な課がありますが、必ず『福祉課』と言う課があります。地域によっては呼び名に違いがありますが、市役所に連絡をした際に慌てずにお伝え下さい。
「介護の事で相談をしたいのですが」
そう伝えて頂ければ窓口の方が福祉課へ繋げてくれますので、介護が必要になった現状を落ち着いて説明しましょう。もし直接市役所に行かれる時も、窓口で福祉課の場所を聞いて相談しましょう。
申請に必要な書類を揃えよう!
電話で相談された場合でも、直接市役所へ赴いて相談した場合でも、介護申請には提出しなくてはいけない書類があります。
・申請書
窓口での受け取り、もしくは地域のHPからダウンロードして下さい。
・介護保険被保険者証
65歳になった時、第1号被保険者となった際に交付される介護保険被保険者証です。地域によって介護保険被保険者証の色に違いがあります。また、40歳から64歳までは2号被保険者とも言われます。2号被保険者に該当する方は健康保険証を用意しましょう。
・身分証明書とマイナンバー
顔の確認が出来る運転免許証や、パスポート等の身分証明書が必要になります。また2016年からはマイナンバーの提示も必要になりました。
上記の書類は必須です。
これらを必ず用意して下さい。
介護の申請は該当する本人が行う事は稀で、殆どが家族の方が代理で申請されるケースが多いです。また入院中や様々な事情で家族や親族の支援を受けれない場合は、病院のソーシャルワーカーさんや、地域包括支援センターの職員さんに相談し、代理で申請を行う事も出来ます。
ここまでが、申請に必要な手順となります。
申請に関しては大きな地域性は無いと思うので、すんなりと進める事が出来ると思います。
認定調査の開始!
申請が終わると、認定調査員による認定調査を行う日程を決めなければなりません。主に認定調査員として来宅する人は、市町村の職員やその市町村から委託されたケアマネジャーが申請した本人の体調や、精神面、過去の病歴や、今の日常生活動作の有無を詳細に確認していきます。この時、必ず家族の方は立ち会って同席して下さい。
本当に良くある話ですが、見知らぬ認定調査員が来た事で、普段は出来ない事を出来ると言ったり、自身がまだまだ元気だとアピールする申請者が多いです。本当に多いのです。そう言う意味でも、家族の方は普段から申請者の健康面や、日常の動作を見ているので、認定調査員には普段の様子を詳細に伝えて下さい。
基本調査と呼ばれる項目を調査していきます。
「身体機能・起居機能」
「生活機能」
「認知機能」
「精神行動障害」
「社会性の適応」
「その他(治療中や病気の既往歴等)」
上記が基本項目と呼ばれる調査ですが、この項目以外にも調査項目はあります。そのどれもを調査員は詳細に聞いてチェックし、申請者の今現在必要な介護度を精査していきます。医師の意見書などもあれば用意しておきましょう。
申請者の年齢や状態にもよりますが、認定調査にかかる時間は1時間前後とみて下さい。蛋白にお話をされる方の場合調査も早く終わりますが、お話が好きな方もいます。ついつい調査から脱線して話に花が咲いて長時間になる事もあるので、時間が前後する事も多々あるので、上手く時間を使って下さい。
長い調査お疲れ様でした。
この後は今回の申請情報を基に判定を行っていきます。
1次判定を通過すると、2次判定では医師の意見書や先程の調査内容を基に各専門に従事する人達が審査をし、判定を出します。
通知結果は約30日後!
通知が届くまで約30日ほどかかります。
これは経験上、どの市町村でもほぼ同様だと思います。
通知結果によって『非該当(自立)』『要支援1・2』から『要介護1・2・3・4・5』までのどれかに認定を受ける事になるのですが、『要支援』は介護度合いとしては比較的軽度のランクに位置付けされています。『要介護』とは文字通り大なり小なりの介護が必要な状態です。同じ要介護でも1と5では申請者の心身の状態に雲泥の差程の違いもあります。もし認定結果が不服だった場合、再調査の希望と言う形で市役所に相談に行きましょう。それでも結果に納得出来なければ都道府県に設置されている介護保険審査会に不服の意思を伝えて下さい。
まとめ
介護申請に訪れる人達は日々増えてきています。
最初に記述した様に、日本の人口は減少しているのに、65歳以上の人口は増加しています。その為、現在の日本の介護保険は緩やかに破綻しつつあります。介護保険として支える側の若者が減少する事で、保険料をまかなえなくなってきているのです。それでも毎日高齢者は増え続け、介護保険の利用をする為に申請に訪れるのが現状です。
家族に介護が必要となったのなら?
まずは各市町村へ相談して下さい。
個人で、家族だけで介護を行う事はほぼ不可能です。それこそ、介護をする側が日々心を削られ疲弊していきます。介護申請は恥ずかしい事でも悪い事でもありません。人が在宅生活を安全に安心して生きていく為の権利なのです。少しでもこの記事がお役に立てれたなら幸いです。